PMX には歌詞を取り扱うための特別の機能は用意されていません。
Rainer Dunker 作の musixlyr.tex というマクロパッケージを使えば、MusiXTEX の機能のみを使うより簡単に歌詞の表示ができます。
.pmx ファイルに直接 TEX マクロを書き込んで歌詞を作成できます。
musixlyr.tex をより簡単に使うために、Dirk Laurie 作の M-Tx というプログラムがあります。
これは、PMX のプリプロセッサで、記述言語は PMX とある程度似ていて、機能的には PMX のサブセットとなっています。
D
コマンドごく簡単に、文字を音符の下に表示するだけなら、D"
text"
も利用できますが、これだと音符の上下に伴って文字も上下するので +, -
で調整してやる必要があります。
標準でイタリック体が用いられますので、D"\rm
text"
、D"\bf
text"
、D"\sl
text"
、D"\tt
text"
でそれぞれローマン体、ボールドフェイス、スラント、タイプライター体となります。
D
コマンドは横位置の調整も柔軟にできます。
\zcharnote
MusiXTEX のマクロ \zcharnote
を使う手もあります。
\zcharnote{-8}{Ah}\
を音符の前に書くと、音符の下に Ah とローマン体で表示されます。
-8
を変更して高さを調節します。
いちいち \zcharnote
と打つのは長いので、最初のインプットブロックあたりで、
\\def\zt#1#2{\zcharnote{#1}{\rm#2}}\
と定義しておけば、\zt{-8}{Ah}\
だけですみますし、フォントの指定もできます。
\rm
を \bf
に変更すればボールドフェイス、\it
ならイタリック体、\sl
ならスラント、\tt
ならタイプライター体となります。
更に、
\\def\zt#1{\zcharnote{-8}{\rm#1}}\
としてしまえば、\zt{Ah}\
だけで縦方向の絶対位置が決まったテキストが出力できます。
この方法で横方向の位置調整をするには、\kern
を使います。
上記の例で、\zt{\kern 30pt Ah}\
とすれば、右に 30 ポイント移動し、\zt{\kern -30pt Ah}\
とすれば左に 30 ポイント移動します。
日本語フォントも指定できます。
標準では明朝体、\gt
ならゴシック体です。
この場合、pmx コマンドではなく、プリミティブに、
pmxab filebase
ptex filebase
musixflx filebase
ptex filebase
と、tex ではなく ptex を呼び出すようにして下さい。
Last-modified: 2009/12/05